top of page
序章
はじまりのとき
これは僕が視てきた世界、聴いてきた世界、
それらを綴る物語。
いつも僕は孤独だった。
誰からも必要とされてない気がして、それ故に誰とも仲良くできなくて。
気づけばいつもひとりぼっち。
毎日が同じことの繰り返し。
どこにいても疎外感を感じていた。
僕の視界はいつも灰色。
見上げることさえできない。
生きているのか死んでいるのか、
もし生きているなら、もういっそ死んだほうがいいのではないか。
こんなつまらない世界、僕はこの世界の歯車にすらなれない。
はっと気づいた時、僕はいつも片手で虚空を振り払う。
僕の趣味は日記を書くことだ。
ただ少し変わっていることといえば、普段の生活を日記につけているわけではない。
僕はその日見た夢を、日記につけている。
楽しいことや悲しいこと、嬉しかったこと。
夢はいつも幸せなことばかりじゃない。
それでも夢の中では僕は主人公になれる。
夢の世界の住人達は僕のことを必要としてくれる。
でも夢は忘れてしまう。
そんな幸せな思いをした世界を忘れないために、
僕は日記をつけることにしたんだ。
そんな世界を君にも知って欲しくて、
僕は改めて綴ろうと思う。
きっと気に入ってもらえる。
だって、君はもう僕の。
bottom of page